米国White Wolf社が1991年に発表した、複数の言語に翻訳されたテーブルトークRPG(TRPG)。複数のシリーズタイトルが展開されている。
プレイヤーはヴァンパイアとして、血への欲求と渇きがもたらす葛藤に苛まれつつ、人間の根源的な恐怖と、政治的な恐怖に彩られた世界に身を投じてゆく。ダークかつ異色のテーマから熱狂的なファンを魅了した世界観は、ゲームのみならず、小説やアメコミにまで幅広い展開がなされている。
ヴァンパイアは人間から隠れて暮らすことを生き延びるための信条としている。人間の前で能力の使用や、吸血行為を禁じており、この掟は何があっても破ってはならない…。このマスカレードの掟は中世末期に全世界的に執行する大組織「カマリリャ」が定めたものである。
全てのヴァンパイアは元人間で、ヴァンパイアから抱擁を受け、転生します。抱擁という行為の具体的な手順については広く明かされてはおらず、諸説あります。相手の血を飲み干した後に自分の血を少しだけ与える、という説が最も信憑度が高いと言われています。
「ヴァンパイア:ザ・マスカレード」の世界には、ヴァンパイアと人間以外にも多くの亜人が存在しています。代表的なのはグールやワーウルフで、グールは吸血時に人間の血を飲み干さずにヴァンパイアの血をわずかに与えることで生み出せるヴァンパイアの手下のような存在です。
「マスカレード」とはヴァンパイアの存在を人間社会に知られないための掟です。カマリリャによって施行されているが、ほとんどの血族は何らかの形でこれを尊重しており、叛徒も例外ではありません。ヴァンパイアが無闇に人を襲わないための一種の抑止力でもあります。
多くのヴァンパイアは日光に弱いため、基本夜にしか活動しません。体内に流れるヴァンパイアの血が濃いほど、日光による影響もその分強まります。逆にヴァンパイアの血が薄い薄血やグールは日光の下で活動できる場合もあります。
厳密に言えば、ヴァンパイアの肉体はすでに死んでいる状態です。体の主な器官はほとんど機能しておらず、なぜ活動できているのかわかっていません。体は通常の人間より頑丈ですが、首が刎ねられたり甚大なダメージを受けてしまった場合にはこの世から消滅します。ヴァンパイアはこれを永遠の破滅と呼びます。